季節は梅雨。でも、夜の気温はテラス席にぴったりの時期です。
新しい生活や部署異動で、新たなメンバーとの会食が増えるこの季節。梅雨の合間をぬって「ちょっと外で一杯やろうか」というお客様も多いはずです。そんなニーズに応えるために、テラス席の活用を考える飲食店も増えています。
ただし、テラス席は「思いつきで設置できるもの」ではありません。法律的なルールや近隣への配慮が必要な場合が多く、正しい知識をもって運用しないと、トラブルの元になることも。今回は、飲食店オーナーが知っておきたいテラス席設置の基礎知識をまとめます。
テラス席のメリットとは?
テラス席には、以下のようなメリットがあります。
- 開放感ある空間で顧客満足度アップ
- 「密を避けたい」ニーズへの対応
- 通行人の目に留まりやすく、集客効果がある
- SNS映えしやすく、話題作りにも最適
単なる座席数の追加ではなく、「体験価値を高める空間」としての役割も大きくなっています。
テラス席設置に必要な法的確認事項
■ 公道上に設置する場合
- 必要な許可:
- 道路占用許可(道路法)
- 道路使用許可(道路交通法)
- 申請先:
- 管轄の市区町村(道路管理者)
- 警察署
- 注意点:
- 歩行者の妨げにならないか
- 通行スペースの確保
- 固定物(パラソルや椅子など)を置く場合の安全性
■ 私有地内に設置する場合
- 基本的に行政許可は不要
- ただし、建物の所有者や管理組合との契約内容は要確認
- 消防法・建築基準法への配慮(避難経路など)
■ その他注意点
- 看板・照明・屋根など追加設備がある場合は別途申請が必要なことも
- 近隣住民への配慮(騒音・喫煙など)はトラブル回避のカギ
魅力あるテラス席にするための工夫
- 安全設計:風で飛ばされないよう椅子・テーブルを固定
- 天候対応:屋根・パラソル・簡易ビニールシートなどで急な雨にも対応
- 快適性アップ:ブランケットやクッションなど、季節に応じた備品
- オペレーション効率:配膳導線やスタッフの視認性にも配慮
地域によって異なる制度や支援も
一部の自治体では、商店街のにぎわい創出としてテラス席設置を推進しているところもあります。
たとえば「道路占用の特例措置」や「にぎわい支援補助金」などの支援制度が存在する場合もあるため、市区町村の都市計画課や商工部門に一度相談してみるのもおすすめです。
まとめ
テラス席は、店舗の魅力を高める絶好のチャンスです。
しかし「ただ外に椅子を置けばいい」というものではなく、法令順守・安全性・近隣との調和が求められます。
事前にルールを理解し、地域の関係機関とも連携しながら、安心・快適なテラス席を目指しましょう。
「屋外で飲める心地よさ」を上手に活用すれば、これからの季節、さらに多くのお客様に喜ばれるお店になるはずです。
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