ネット悪評は“対応の遅れ”が引き金に──2025年上半期のクレーム多発業種から飲食店が学ぶべきこと

2025年9月11日

こんにちは!開業支援集団東京Ringです。
口コミやSNSの投稿が来店の可否や採用活動に直結する時代。味や価格だけでなく、対応スピードと見える化が評価を左右しています。最新の調査結果から、飲食店がすぐ改善できるポイントを抽出しました。


✅ 記事要約(飲食店オーナー向き)

出典:アラームボックス「2025年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」
URL:https://alarmbox.co.jp/allnews/press/20250826-chosa08/

  • 調査対象:11,230社のネット上の口コミ・評判から悪評・クレームを抽出し業種別に分析。
  • 総括:生活密着型サービス(EC・通信・医療・飲食・宿泊)で不満が集中。共通の火種は「対応の遅れ」「連絡がつかない」
  • EC(無店舗小売)1位:配送遅延や返品対応の遅さ、連絡不通など“注文後の見えなさ”が不満に直結。
  • 通信・放送:解約や契約変更時の手続き難・サポート不満(電話が繋がらない、説明不足)。
  • 医療:予約難・待ち時間、接遇・説明不足への不満。美容系は施術・態度起因が多い。
  • 飲食店(平均4.08件/社):味・量・価格バランスの不満に加え、予約・提供遅延・注文未反映・接客態度など運営起因の指摘が目立つ。
  • 宿泊:老朽化・清掃不備・混雑・スタッフ対応。人手不足で基本業務が回っていない指摘。
  • 考察:コロナ後の需要回復で期待値が上昇。オンライン中心業種は“状況の見える化”不足、対面業種は人手不足に伴う接客品質低下が悪評増加の要因。

🍽 飲食店に特有のリスクと優先対策

  • 予約・来店導線:予約確定/変更/満席案内を自動通知。到着時の待機時間目安を表示(SMS/LINEで事前連絡)。
  • 注文・提供フロー:QRオーダー+キッチン表示で未反映ゼロ。ピーク時はメニューを“スリム化”し提供遅延を抑制。
  • 提供時間の見える化:「現在〇分目安」と掲示。遅延時は先手で説明・代替提案(前菜変更、ドリンク先出し)。
  • 接客品質:“三つの標準話法”を全員で統一(お迎え・おすすめ・お見送り)。新人には短尺トーク台本を配布。
  • 価格・品質の期待ギャップ:写真・量感・原材料の明示。値上げ時は仕入れ理由を店内掲示/SNSで説明。

🛡 レピュテーション(風評)を落とさない運用設計

  • 一次受付の“24時間化”:営業時間外の問い合わせは自動応答で受付番号を発行。翌営業日の対応時刻を自動返信。
  • クレーム初動のKPI:初期応答SLA(例:30分以内)を設定。一次返信→事実確認→再連絡の所要時間をダッシュボード管理。
  • 公開返信テンプレ:Googleマップ/食べログ/Instagram用に、謝意→事実確認→改善策→再来店提案の順で定型を用意。
  • 炎上予防の“未然策”:ピーク限定メニュー、売切れ時の掲示、アレルゲン・辛さ表記の強化。
  • ポジティブ投稿の増産:会計時にQRでレビュー依頼。体験が良かったお客様を狙って依頼率を高める。

📋 すぐ使えるチェックリスト(現場・SNS・口コミ)

  • 予約:予約確定/変更/キャンセルの自動通知は稼働しているか。
  • 注文:POS・キッチン連携に抜けがないか。未反映トラブルの原因分析ログは残しているか。
  • 提供:提供時間の案内・遅延時の代替提案は標準化されているか。
  • 接客:新人台本・標準話法の共有とロールプレイ実施記録はあるか。
  • SNS・口コミ:返信SLA達成率/低評価の改善報告(再来店の有無)を月次で集計しているか。

📝 まとめ

ネット上の悪評の多くは、味そのものよりも連絡・対応の遅れから始まります。予約~提供~会計の各所で「見える化」と「先手の一言」を仕組みに落とし込むだけで、クレームの発火点は大きく減らせます。
口コミの時代に強い店は、早い初動・一貫した説明・改善の見える化が徹底された店です。今日からできる最小の改善を、ひとつずつ積み上げていきましょう。