外国人採用、新規ルートが閉じたまま。今いる外国人スタッフの「定着」が採用戦略の鍵に

2026年8月18日

こんにちは!開業支援集団東京Ringです。夏の繁忙期、人手のやりくりに苦労されているお店も多いのではないでしょうか。今回は、外国人採用に関わる大きな制度変更についてお届けします。

外食業の特定技能、新規受入れが4月から停止中

農林水産省と出入国在留管理庁は、2026年3月27日に「外食業分野における特定技能1号の新規受入れを2026年4月13日以降、原則停止する」と発表しました。

出典:出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」

  • 外食業分野の特定技能1号在留者数:2026年2月末時点で約4.6万人
  • 受入上限(2024〜2028年度の5年間累計):5万人
  • 2026年5月頃に上限超過の見込みとなり、上限到達前に新規受入れを停止
  • 2019年の制度創設以来、外食分野で初めての停止措置

2026年8月1日時点の日本経済新聞の報道でも、再開時期は未定のままとされています。

何が止まり、何が継続できるのか

停止の範囲を正しく理解しておくことが重要です。2026年4月13日以降に受理された申請について、以下のように扱いが分かれています。

止まっているもの

  • 海外から新たに呼び寄せる場合の在留資格認定証明書(COE)交付申請
  • 留学生など他の在留資格から特定技能(外食業)への変更許可申請

引き続き可能なもの

  • 既に特定技能で働いている外国人材の在留期間更新
  • 外食業分野内での転職に伴う申請(同業種間の転職は止まっていない)

つまり、「海外や他業種から新しく外国人を採用する」ルートは閉じていますが、「今いる外国人材を維持する」「同業種内で転職してきた人を受け入れる」ことは可能な状態です。

飲食店が今、確認・実践すべきこと

新規採用ルートが閉じている以上、当面は「採用重視」から「定着重視」への切り替えが現実的な対応になります。特に、外食業分野内での転職は引き続き認められているため、他店からの引き抜き・引き抜かれのリスクが今まで以上に高まっている点にも注意が必要です。

たとえば、特定技能で働くスタッフ1名が離職した場合、新規採用による補充ができないため、既存の日本人スタッフのシフトでカバーするか、外食業内転職者を採用するしか選択肢がありません。転職者の採用には人材紹介会社を通じるケースも多く、紹介手数料として理論年収の20〜30%程度(仮に年収300万円なら60〜90万円程度)がかかることもあります。離職を1件防ぐことは、この紹介コストをまるごと回避することに直結します。

確認しておきたいのは、次の点です。

  • 現在特定技能で働いているスタッフの在留期間・更新時期はいつか
  • 万が一離職した場合、新規採用ではなく同業種内転職者の採用しか選択肢がないことを踏まえた人員計画になっているか
  • 日本語教育や住環境サポートなど、定着率を上げるための取り組みを行っているか
  • 2027年4月に施行予定の「育成就労制度」など、中長期的な採用ルートの情報を継続的に確認しているか

⚠ 注意点

停止措置はあくまで「新規受入れ」が対象であり、既存スタッフの雇用継続や在留期間更新には影響しません。焦って現在のスタッフとの契約を見直す必要はありませんが、「今後増員したい」という計画がある場合は、当面は国内での代替採用手段(日本人採用、外食業内転職者の紹介受け入れなど)を並行して検討しておく必要があります。

📝 まとめ

外食業の特定技能1号は、2026年4月から新規受入れが停止したままで、8月時点でも再開時期は未定です。新しく外国人を採用するルートが閉じている今、まず確認すべきは「今いるスタッフの定着」と「同業種内転職者の受け入れ体制」の2点です。増員計画がある店舗は、育成就労制度など今後始まる新しい枠組みの情報もあわせてチェックしておくことをおすすめします。