「10月1日」は外食業界のハレの日 ― ビール減税と日本酒の日にみる”記念日マーケティング”

2026年10月1日

🌱 10月1日は、外食業界にとっての”特異日”

こんにちは!開業支援集団東京Ringです。
2026年10月1日は、ビール系飲料の減税と「日本酒の日」が重なる特異日です。
この一日を軸に、外食チェーン各社がさまざまな販促を仕掛けています。
今回は、この”記念日マーケティング”の中身と、費用対効果まで含めた考え方を読み解いていきます。

ビール減税を逆手に取った「ダンダダン」のブランド切り替え戦略

肉汁餃子のダンダダンは、10月1日のビール減税に合わせ「餃子とビールは文化です。」フェアを実施します。

  • 従来のサントリーからキリン一番搾り生ビールへ提供銘柄を切り替え
  • 55円引き(603円)で提供
  • 税制変更という話題性の高いタイミングに、仕入れ先変更という経営判断まで重ねて話題化

出典:フードリンク「ダンダダン、ビール減税で「餃子とビールは文化です。」フェア 変わった、キリンに」(2026年9月24日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/2461435.html

「日本酒の日」を軸にした一斉プロモーション

「日本酒原価酒蔵」「個室居酒屋 天日」は、10月1日の「日本酒の日」に合わせ、日本酒40種を全品100円(税込110円)で提供する企画を展開します。
同チェーンは10月限定で最大11時間の時間無制限飲み放題(1,000円〜)も併せて実施しており、10月全体を”仕込み期間”として一貫したキャンペーン設計をしている点が特徴的です。

出典:PR TIMESグルメ「【日本酒40種全品¥100(税込¥110)】10月1日『日本酒の日』キャンペーン!|日本酒原価酒蔵、個室居酒屋 天日で開催」(2026年9月21日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000557.000055180.html

出典:PR TIMESグルメ「【最大11時間!好きなだけ飲める】1,000円(税込1,100円)〜で日本酒・生ビール・サワーなど30種の「時間無制限飲み放題」を10月限定で開催|日本酒原価酒蔵 全店」(2026年9月27日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000558.000055180.html

大手も「10月」を意識した施策を投入

松屋フーズホールディングスは10月より、新定期券「MATSUYA PASS」(アプリ版・カード版)の運用を開始します。
定食類は100円引き、牛めし・カレー・丼類は70円引きとなる回数制限なしのサービスです。
また物語コーポレーションは、カルビ丼チェーン「焼きたてのかるび」の40店舗目を愛知県安城市に出店するなど、大手チェーンも10月というタイミングに合わせた施策・出店を集中させています。

出典:PR TIMESグルメ「【松屋】アプリ版とカード版の2タイプ定期券「MATSUYA PASS」運用開始」(2026年9月22日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001013.000047538.html

出典:フードリンク「物語コーポ「焼きたてのかるび」40店舗に 業態開発力で韓丼を追う、吉野家は?」(2026年9月25日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/2564719.html

あなたのお店なら、”記念日企画”の投資はいくらまで許容できるか

記念日マーケティングの魅力は、既存メニューやオペレーションを大きく変えずに話題を作れる点にあります。
ただし、値引きは実質的な”販促投資”であり、どこまでなら許容できるかを事前に試算しておく必要があります。

ダンダダンの「55円引き」を例に、簡単な試算をしてみましょう。

  • 通常価格658円のビールを55円引き(603円)で提供
  • 原価率を仮に30%(197円)とすると、通常時の粗利は461円、値引き後の粗利は406円
  • 1杯あたり55円の粗利減 → 1日50杯出た場合:55円 × 50杯 = 2,750円/日の”販促投資”

55円 × 50杯 = 2,750円/日(記念日1日あたりの投資額)

この2,750円が、SNS拡散や話題化による新規客の獲得、あるいはリピーター化にどれだけつながるかが、企画の成否を分けます。
記念日企画は「いくらまでなら払えるか」を先に決めてから設計するのがポイントです。

⚠ 注意点

「◯◯の日」に便乗する企画は数多く、埋もれてしまうリスクもあります。
仕入れ先の切り替えのように、単なる値引きではなく”経営判断そのもの”を話題化できると差別化になりやすい一方、値引き幅を大きくしすぎると、記念日が終わった後の通常価格への反動(客離れ)を招くこともあるため注意が必要です。

📝 まとめ

税制変更や業界特有の記念日は、日付に「理由づけ」を持たせることで販促の説得力が高まります。
あなたのお店でも活用できそうな記念日はないか、そしてその企画にいくらまでの”投資”なら許容できるか、一度整理してみてはいかがでしょうか。