こんにちは!開業支援集団東京Ringです。
2026年8月、外食業界を大きく揺るがしたのは記録的な豪雨と物価高でした。同じ逆風の中で、明暗がくっきり分かれた各社の8月度実績を見ていきます。
「淘汰」が進む現実:倒産80件、大手との格差拡大
出典:フードリンク「8月の飲食店倒産80件、年間最多ペース 大手の一人勝ち続く」(2026年9月11日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/1170553.html
- 2026年8月の飲食業倒産は80件で、前年同月比42.8%増。30年間で最多ペース
- 個人企業が全体の約4割を占め、物価上昇と人手不足で小規模店舗の経営が悪化
- 大手チェーンとの経営格差が拡大している
苦戦する大手チェーン:くら寿司・鳥貴族・あさくま・源ちゃん
出典:フードリンク「【決算速報9/11①】鳥貴族・エターナル1割減益、次期予想で利益半減 くら寿司4割減益」(2026年9月11日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/11155912.html
- くら寿司は営業利益45.2%減。国内事業が4割減益、北米事業は6億円の赤字
- 鳥貴族運営のエターナルホスピタリティグループは営業利益10.4%減、翌期予想は60億円から30億円へ半減
- 鳥貴族は10月1日から均一価格を390円から410円へ再値上げすると発表
出典:フードリンク「あさくま【27年1月期中間】京都出店コストで減益」(2026年9月11日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/1171715.html
- あさくまは京都への新規出店コストが響き減益、下期は7%超の営業利益率が必要な状況
出典:フードリンク「『源ちゃん』サイプレス【26年8月】既存客数3ヶ月連続マイナス」(2026年9月10日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/1060805.html
- 「築地食堂源ちゃん」運営のサイプレスは、既存店客数が前年比4.3%減で3ヶ月連続マイナス
- 客単価3.5%増で補うも全店売上は0.9%減。2025年11月の値上げ以降続く客数減が懸念材料
好調を維持する企業:山岡家・串カツ田中・ダンダダン
出典:フードリンク「【決算速報9/11②】山岡家、過去最高売上と利益 ダンダダンは黒転」(2026年9月11日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/11173104.html
- 丸千代山岡家は2027年1月期第2四半期で売上高228億68百万円(15.4%増)、営業利益24億87百万円(27.0%増)と過去最高を記録
- 既存店売上は52ヶ月連続プラス、アプリ会員数は約223万人に拡大
- NATTY SWANKYホールディングス(肉汁餃子のダンダダン)は赤字から黒字に転換
出典:フードリンク「串カツ田中【26年8月】豪雨にもかかわらず客数増」(2026年9月10日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/09/1061656.html
- 串カツ田中は豪雨の影響下でも客数が増加
明暗を分けたのは「顧客の囲い込み」と「話題作り」
苦戦組と好調組を並べると、いくつかの違いが見えてきます。
苦戦組に共通するのは、値上げやコスト増への対応を「価格」だけで行っている点です。
鳥貴族の再値上げ、源ちゃんの客単価上昇による補填はいずれも、客数減少という副作用を伴っています。
あさくまの新規出店コスト、くら寿司の北米事業赤字のように、投資先行のコスト増が重荷になっているケースもあります。
一方、好調組に共通するのは、価格以外の要素で顧客をつなぎとめる仕組みです。
山岡家のアプリ会員223万人という数字は、値上げに頼らずとも繰り返し来店してもらえる基盤を示しています。
ダンダダンはウルトラマンとのコラボキャンペーンなど、話題作りによる集客を継続的に行っています。
串カツ田中が豪雨下でも客数を維持できたのも、天候に左右されにくい固定客基盤があるためだと考えられます。
つまり、値上げそのものの是非よりも、「値上げしても離れない理由を、価格以外にどれだけ用意できているか」が明暗を分けているということです。
自店の「囲い込み」を数字で確認する
たとえば、月750組が来店する店舗で、スタンプカードや公式LINE・アプリ会員化によって再来店率が現状の20%から30%に改善したとします。
月750組のうち20%(150組)がリピーターだった状態から、30%(225組)に増えると、客単価3,000円換算で月22万5,000円の増収、年間では270万円の増収に相当します。
値上げによる客単価アップよりも、リピート率の改善の方が売上への影響が大きいケースは珍しくありません。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 自店に、価格以外で顧客をつなぎとめる仕組み(会員証、公式LINE、アプリ、スタンプカードなど)があるか
- 値上げを検討する際、値上げと同時に「話題性」や「再来店の理由」もセットで用意できているか
- 天候不順や外部環境の変化があっても客数が落ちにくい、固定客基盤ができているか
⚠ 注意点
顧客の囲い込みは重要ですが、山岡家のような大手と同じ規模のアプリ投資は個人店・小規模チェーンには現実的ではありません。
まずは無料の公式LINEやスタンプカードなど、低コストで始められる仕組みから着手し、値上げに頼らない集客の土台を作ることが優先です。
📝 まとめ
2026年8月の決算を見ると、外食業界の二極化がはっきりと表れています。
値上げそのものが問題なのではなく、値上げに頼らずに顧客をつなぎとめる仕組みを持っているかどうかが明暗を分けています。
自店でも、価格以外の「また来たくなる理由」を作れているか、この機会に見直してみることをおすすめします。





