「メニュー表なし」でも満員 ― 個人店が仕掛ける新しい立ち飲みのかたち

2026年10月23日

🌱 居酒屋倒産が過去最多の裏で、連日満員の個人店

こんにちは!開業支援集団東京Ringです。
大宮の「日々酒々」と渋谷の「Higgledy Piggledy」。
立地もコンセプトも異なる二つの立ち飲み店ですが、共通するのは「小さな坪数でワンオペに近い体制」「メニュー表を置かず、スタッフが提案する接客」という新しいスタイルです。
外食業界全体では居酒屋の倒産が過去最多というニュースが流れる一方で、個性を際立たせた個人店が連日満員という対照的な事例を、直近の記録からピックアップします。

大宮「日々酒々(ひびしゅしゅ)」

大宮駅徒歩5分の立ち飲み店「日々酒々」は、日本料理出身の店主がワンオペで営む8.5坪の店です。

  • 女性客の支持を集め、予約必須なほどの連日満員3回転
  • 月商は400万〜500万円に達する
  • 今後は大宮エリアでの店舗展開も視野に

出典:フードスタジアム「【話題店チェック】立ち飲みなのに予約必須!?大宮『日々酒々』が話題。
女性客の支持集め連日満員3回転。店主ワンオペ8.5坪で月商500万円越えも」(2026年10月13日)
https://food-stadium.com/headline/39993/

渋谷「Higgledy Piggledy(ヒグルディピグルディ)」

渋谷・桜丘に「PEOPLE TASTE」運営の砂田兄弟による新店「Higgledy Piggledy」がオープンしました。

  • 月商600万円に届かなかった前テナント「C’est ouf」からの業態転換
  • 「愛すべき、混沌。」をテーマに、ジャンルレスな料理と焼酎・ワインを提供
  • メニュー表を置かず、スタッフの接客で料理を提案するスタイルが特徴

出典:フードスタジアム「【ニューオープン】渋谷に『Higgledy Piggledy』が開業。
『大人気』砂田兄弟による新店舗、『愛すべき、混沌。』テーマにジャンルレスな料理に焼酎、ワイン」(2026年10月15日)
https://food-stadium.com/headline/40002/

共通するキーワード

両店に共通する勝ち筋として、3つの要素が浮かび上がります。

  • ワンオペ・小坪数での運営
  • メニュー表を置かない、提案型の接客
  • 既存業態からの転換(リブランド)

なぜ今、個人店の立ち飲みが強いのか

2026年1〜9月の居酒屋倒産は167件で過去最多(前年同期比32.5%増)という逆風の中、むしろ「人」や「接客体験」を売りにする店が支持を集めている構図は注目に値します。

出典:フードリンク「居酒屋【26年倒産】過去最多 コスト増・節約志向で、大手は伸びる」(2026年10月16日)
https://www.foodrink.co.jp/news/2026/10/1660559.html

あなたのお店なら、提案型接客でどれだけ客単価が伸びるか

メニュー表を置かず、スタッフが提案する接客は、客単価アップの仕組みとしても試算できます。

  • 提案型接客により、1人あたり追加注文が平均+1品増えると仮定
  • 追加注文の平均単価を800円とする
  • 1日30人が来店する店の場合:800円 × 30人 = 24,000円/日の売上増
  • 月間26日営業なら:24,000円 × 26日 = 62.4万円/月の売上増

800円 × 30人 × 26日 = 62.4万円/月(提案型接客による売上増の目安)

メニューを減らす・なくすことは、一見して選択肢を狭めるようですが、「選ぶ負担をなくし、店側が最適な一品を提案する」ことで、結果的に客単価が上がるケースがあります。

⚠ 注意点

メニュー表を置かない提案型接客は、スタッフ(多くの場合は店主自身)の商品知識と接客力に大きく依存します。
ワンオペ体制で属人性が高いモデルは、店主の体調や稼働時間がそのまま売上の上限になるため、店舗展開を目指す場合は接客スタイルの”標準化”と”属人性”のバランスが課題になります。

📝 まとめ

坪数や価格競争だけでなく、「誰が、どう提案してくれるか」という体験価値が、これからの立ち飲み業態の分岐点になりそうです。
あなたのお店なら、メニューを絞り込み提案型の接客に変えた場合、客単価はどれだけ伸びそうでしょうか。