こんにちは!開業支援集団東京Ringです。
大手チェーンの値上げ・客数減のニュースが続く一方、都内の路地裏では新しい個人店・小箱業態が次々と生まれています。
今回は、規模を追わず坪単価と専門性で勝負する店づくりの最新事例を見ていきます。
「小箱×専門性」で坪単価を稼ぐ個人店
出典:フードスタジアム「高円寺に『大衆割烹 立ち呑み 17番 オハコマエ』が開業」(2026年9月10日)
https://food-stadium.com/headline/39832/
- エヌイーエス出身の齋藤智明氏が8月3日、高円寺に立ち呑み店「17番 オハコマエ」を開業
- 刺身や逸品料理、90ml480円からの日本酒など、割烹レベルの和食を一人でも気軽に楽しめる業態
- 30〜60代の顧客層を狙う
出典:フードスタジアム「赤羽に『スタンド ミハラシマート』が開業」(2026年9月11日)
https://food-stadium.com/headline/39875/
- 佐野商店が赤羽に新店舗「スタンド ミハラシマート」をオープン。既存の「炭火晩酌屋はればれ」「藁と餡 COHARU」に続く3店舗目
- 「コンビニのようについ寄りたくなる立ち飲み」がコンセプト
- モツ煮込み串や漬け込みホッピーが好評で、開業3ヶ月で坪月商47万円を記録
老舗の技術×新業態というアプローチ
出典:飲食店ドットコムジャーナル「人形町『Pizza Tane』のブランド戦略は?」(2026年9月8日)
https://www.inshokuten.com/foodist/article/8384/
- サワードウ生地を使ったピッツァが評判で連日2〜3回転する人形町「Pizza Tane」
- 系列ベーカリーの酵母を生かした新業態開発が話題
出典:食べログマガジン「もちもち自家製麺と丁寧に炊いた出汁を堪能。京うどんの名店『夢吟坊』がオープン」(2026年9月8日)
https://magazine.tabelog.com/articles/504757
- 1992年創業の京うどん名店「夢吟坊」が下北沢に新店舗
- 利尻昆布と鰹節の出汁、毎日店内製麺の自家製麺が特徴
出典:食べログマガジン「〈食べログ3.5以下のうまい店〉日本フランス料理界のレジェンド伝授の〆カレーに感動!」(2026年9月12日)
https://magazine.tabelog.com/articles/504904
- 麻布十番の隠れ家フレンチ「Nose Savoir-Faire」は、日本フランス料理界の巨匠から薫陶を受けたベテランシェフ能勢和英氏が営む
- 50年の経験を凝縮した古典と現代が融合した料理が特徴
経営者インタビューから見える成長のリアル
出典:フードスタジアム「【大山 正Presents】クロスロード〜外食経営者のルーツと転機〜 vol.28/株式会社KIWAMI代表取締役 阿波耕平氏」(2026年9月9日)
https://food-stadium.com/special/39855/
- 中華の名店で料理人を目指すも薄給に直面して断念、ぐるなびでの営業経験を経て独立したKIWAMI代表・阿波耕平氏のインタビュー
- わずか8坪で月商1,200万円を叩き出す店舗もあり、5年で30店舗・売上30億円を目標に掲げる
なぜ小箱業態は坪効率を出せるのか
これらの事例に共通するのは、「広さで稼ぐ」のではなく「密度で稼ぐ」発想です。
1つ目は業態の専門特化です。
ピッツァ、うどん、フレンチのカレーなど、扱う商品を絞り込むことで、原価管理とオペレーションの両方をシンプルにできます。
専門特化した店は、メニュー数が少ない分、仕込みや在庫の無駄が出にくく、少人数でも高い坪効率を実現しやすくなります。
2つ目は立ち飲み・カウンター中心の設計による回転率の高さです。
オハコマエやミハラシマートのように、着席せず立って飲食するスタイルは、同じ坪数でもより多くの客を受け入れられ、坪単価を押し上げます。
3つ目は、老舗の技術やレシピという「無形資産」の活用です。
Pizza Taneの酵母、夢吟坊の出汁、Nose Savoir-Faireのシェフの経験のように、他店が簡単には真似できない技術的な裏付けがあることで、狭い店舗でも高い客単価・リピート率を実現できています。
自店の「坪単価」を数字で確認してみる
坪単価経営の発想を、自店に当てはめて考えてみます。
KIWAMI代表の事例(8坪で月商1,200万円)は坪月商150万円という極端な例ですが、ミハラシマートの坪月商47万円は、個人店にとってより現実的な目標値として参考になります。
仮に、自店が20坪で月商400万円だとすると、坪月商は20万円です。
もしオペレーションの見直しや専門特化によって坪月商を30万円まで引き上げられれば、20坪×30万円=600万円となり、月200万円、年間2,400万円の増収に相当します。
広さを変えずに坪単価を上げる余地がどれだけあるかを把握することが、最初のステップになります。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 自店の坪月商(月商÷坪数)を計算したことがあるか
- メニュー数を絞り込んで、専門特化できる強みがあるか
- 立ち飲み・カウンター化など、同じ坪数でも回転率を上げられる余地がないか
- 自店ならではの技術・レシピ・仕入れルートなど、他店が真似しにくい「無形資産」を言語化できているか
⚠ 注意点
専門特化やカウンター化は坪効率を上げる一方、客層を絞り込むことにもなります。
オハコマエが30〜60代という客層を明確に狙っているように、誰にでも合わせようとするのではなく、坪単価を最大化できる客層を明確に定めたうえで業態を設計することが重要です。
📝 まとめ
大箱チェーンが値上げと客数減に苦しむ一方、坪単価と専門性で勝負する個人店・小箱業態は着実に成果を上げています。
自店でも、坪月商という指標で現状を数字化し、専門特化や無形資産の活用によって坪効率を高める余地がないか、この機会に見直してみることをおすすめします。





